山梨肺癌研究会会誌 第16巻2号 062-066(2003)

当院における肺癌外来化学療法
−ビノレルビン単独療法を中心に−

大木善之助、小野寺修一、渡辺一孝、赤尾正樹
小澤克良
宮澤正久
山口 弘、久木山清貴

要旨:当院では手術不能進行期肺癌あるいは再発・再燃肺癌患者の治療に積極的に外来化学療法を導入しており、ここ1年3ヶ月で肺癌外来化学療法月別延べ患者数は約20人から約60人へと3倍に増加している。非小細胞肺癌に対しビノレルビン、ジェムシタビン、ドセタキセルなどの新規抗癌剤の併用あるいは単独療法を施行しており、2001年3月から2003年3月の2年間で33例を対象に施行、うち20例にビノレルビン単独療法を実施した。9例(45%)でTTP(time to progression)の延長を認め、PD11例中4例(36%)で自覚症状の改善を得た。1例に急性間質性肺炎の発症を認めたが、それ以外に入院を必要とする重篤な副作用を認めず十分に外来でmanageableであった。ビノレルビン単独療法は、効果・副作用より肺癌外来化学療法に適したレジメンの一つであると思われた。

キーワード:進行期肺癌、肺癌外来化学療法、ビノレルビン単独療法



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